
ユニークボックス CMO
大冨 翔太郎(おおとみ しょうたろう)
新卒で大手M&A仲介会社である株式会社ストライクに入社。入社後は30件以上のM&A案件を手掛け、同社において成績上位者として表彰を受けるとともに、最年少での昇進を果たすなど数々の実績を残す。2023年5月に独立し、代表である梶川とともに合同会社ユニークボックスを設立。若手の未経験者から経営層に至るまで、多様な層の転職支援を手掛け、豊富な実績を築いている。
今回は、M&A仲介会社のインセンティブ制度について具体例を用いながら解説します。
インセンティブ制度は、M&A仲介業界の魅力の一つでもあり、高年収を叩きだしている理由でもあります。
M&A業界の高年収というポイントに魅かれて応募を検討している候補者の方もいると思いますので、必見です。
目次
M&A仲介におけるインセンティブ制度とは?
インセンティブ制度とは、売上に対するボーナスのようなものです。
営業会社では、自身の売上と連動するボーナスが支払われる会社も多いとは思いますが、M&A仲介業界も同様です。
従って、年功序列で給与が決まるわけではなく、自身の成果に応じて給与が決まる業界ということです。
若い人でも成績に応じて、年収1,000万円、ましては1億円を超えてくることもあります。
今回の記事では、インセンティブについて体系的に理解していただきやすいように、以下の内容を順を追って解説させていただきます。
- M&A仲介会社における売上
- インセンティブ制度の概要
- 具体的なインセンティブ設計
M&A仲介会社での売上とは?
上記で、売上というワードが出てきましたので、売上についても説明いたします。
売上とは、自身が担当している案件で、クライアントから会社に対して支払われる仲介手数料のことをさします。
仲介手数料の種類には、成約報酬、基本合意報酬、着手金などがありますが、大部分は成約報酬が占めています。
成約報酬については、1件のM&Aを成約まで支援すると、4,000万円以上となる事が多く、その成約報酬の内、一定の割合が自身にインセンティブとして入ってくることになります。
仲介手数料に関する詳しい説明は以下の記事をご覧ください。
インセンティブ制度の概要
インセンティブ制度は、売上に対してのボーナスと説明しましたが、M&A仲介では、業界平均として売上の15〜20%がインセンティブとして支払われることが多いです。
ただし、この制度には、そのまま売上高の15〜20%がインセンティブとして支払われる訳ではなく、以下のようなルールが定められていることもあります。
- 一定の売上以上でインセンティブ制度が発生
- インセンティブから基本給を控除した金額が支給額となる
- 前年の成績に応じて一定の額を控除する
上記のルールは単一で適用されている場合もあれば、複合的に適用されている場合もあります。
記事では具体的に会社の名前を出すことや、詳しい制度について個社ごとに言及するのは難しいので、記事を読んでさらに詳しく知りたい方は、是非弊社までお問い合わせください。
それでは、各ルールについて、それぞれ以下から詳しく解説します。
一定の売上以上でインセンティブ制度が発生
このルールは多くの会社で導入されています。
コンサルタント一人に対する、会社コストを考慮しての制度です。その額は会社によって異なりますが、一定の売上以上の「一定」の決め方は以下のような例があります。
- 自身の給与の〇倍を超えたところからインセンティブ制度が発生
- 自身の売上目標金額を超えたところからインセンティブ制度が適用
- 自身の売上目標金額を超えたところからインセンティブ制度が適用
ここからは、基本給600万円の人がインセンティブ15%の会社で売上高1億円だったという設定で、具体例を用いながら解説していきます。
自身の給与の〇倍を超えたところからインセンティブ制度が発生
〇倍の数字によって変わるのですが、例えば〇=5とした場合には、
インセンティブ={1億円-(600万円×5)}×15%=1,050万円
給与=600万円+1,050万円=1,650万円
となります。
自身の売上目標金額を超えたところからインセンティブ制度が適用
売上目標によって変わるのですが、売上目標が8,000万円だった場合には、
インセンティブ=(1億円-8,000万円)×0.15=300万円
給与=600万円+300万円=900万円
となります。
売上〇千万円を超えてからインセンティブ制度が適用
上記と似ていますが、売上4,0000万円を超えてからインセンティブ制度が適用の場合、
インセンティブ=(1億円-4,000万円)×0.15=900万円
給与=600万円+900万円=1,500万円
となります。
インセンティブから基本給を控除した金額が支給額となる
このトピックでも同様に、前提として、基本給600万円の人がインセンティブ15%の会社で売上高1億円だったという設定でお話します。
その場合には、インセンティブ=1億円×15%-600万円=900万円がインセンティブとなり、合計の給与は、600万円+900万円の1,500万円となります。
ただ、中にはインセンティブから基本給を控除せずに支給する会社もあります。その場合では、上記のケースでは、インセンティブ=1億円×15%=1,500万円、合計の給与は、1,500万円+600万円の2,100万円となります。
前年の成績に応じて一定の額を控除する
前年に自身の基本給までインセンティブが出ていなかった場合や、目標売上、一定売上まで届いていなかった場合に、その不足分が次年度に繰り越される制度です。
業界では、キャリー制度、クレジット制度、などと呼んでいます。
このトピックでも同様に、前提として、基本給600万円の人がインセンティブ15%の会社で売上高1億円だったという設定でお話します。
上記のケースで、前年の売上が1,000万円だった場合に、前年のインセンティブは、1,000万円×0.15=150万円となります(控除はなしと仮定)。
しかし、150万円では、自身の給与である600万円を超えていなく、600万円-150万円=450万円の差分が発生している状態になります。
そこで、この差分の450万円が次年度に繰り越され、今年度は450万円+600万円=1,050万円を超えたところからインセンティブが発生するという仕組みです。
従って、昨年450万円の不足がある状態で、基本給600万円の人がインセンティブ15%の会社で売上高1億円だった場合には、インセンティブ=1億円×0.15-(450万円+600万円)=450万円となります。合計の給与は、600万円+450万円=1,050万円となります。
まとめ
インセンティブ制度の概要について、説明しました。
M&Aを成約することによる仲介手数料、そしてその一部がインセンティブという仕組みで支払われることから、M&A仲介業界の給与の高さについても理解ができると思います。
しかし、M&Aを成約に導くことは容易ではなく、日頃の研鑽とハードワークをすることが必要です。
ただ、それを乗り越えることで感じる達成感や得られる給与は、他の業界ではなかなか味わうことはできません。
M&A仲介業界に挑戦したい方は、是非弊社までお問い合わせください。業界経験者が多数在籍している弊社では、業界のリアルからインセンティブ制度の仕組みまで、しっかりとお伝えさせていただきます。
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