・M&Aコンサルタントに必要な知識を知りたい人
・M&Aコンサルタントへの転職を希望している人
・M&Aコンサルタントの仕事内容の解像度を上げたい人
そんな方のために、本記事では以下のことを解説します。
- M&Aコンサルタントに必要な知識
- M&Aコンサルタントの仕事内容
- M&Aコンサルタントになるための方法
昨今、M&A業界の盛り上がりにあわせて、M&Aコンサルタントになる優秀なビジネスパーソンが増えております。今回は、M&Aコンサルタントになりたい、関心のある方に向けて、M&Aコンサルタントに必要な知識や、M&Aコンサルタントの仕事内容等を記載いたします。
以下の実績を持つ筆者が徹底解説します
・M&A仲介会社への転職に特化した転職支援サービスである合同会社ユニークボックス代表
・大手M&A仲介会社とベンチャーM&A仲介会社に勤務していた
・300名以上の方との面談を通して、M&A業界の転職を成功させるノウハウを確立
数多くの転職エージェントが存在していますが、「実際に勤務していたからこそ可能な独自の選考対策」が可能な会社はかなり少ないです。その中でも、弊社は大手とベンチャーの両方のM&A仲介会社で勤務したことがあるため、業界では稀有な存在として認知していただいています。
M&Aコンサルタントの仕事内容や必要な知識を解説は?
M&Aアドバイザーの仕事は、ビジネスの総合格闘技と呼ばれるように人間力や知識力、交渉力など様々な能力が求められることで有名です。今回は、元M&Aアドバイザーの私が自らの実体験をもとに解説をしていきます。
M&Aのコンサルタントとは
M&Aコンサルタントとは、その名の通り、M&Aのコンサルタントです。M&Aの手続きには専門的な知識や交渉が必要になるため、クライアントに寄り添ってM&Aをクロージングまでサポートします。
M&Aコンサルタントの仕事内容
M&Aコンサルタントの仕事内容は、以下の4つに大別されます。
- 売り手企業のソーシング
- 提案資料の作成
- マッチング
- エグゼキューション
それぞれ絶対重要なミッションがあり、すべての案件で行う内容はすこしずつ異なります。一つ一つ紹介していきます。
売り手企業のソーシング
M&A仲介の仕事は、自ら製品を製造したりウェブサービスを提供しているわけではないため、顧客と接触していなければいつまでたっても仕事が生まれることはありません。最も重要な仕事といえるのは、売り手企業のソーシングです。ソーシング方法主に以下の三つがあります。
- 架電営業
- DMの送付
- 紹介営業
M&Aのコンサルティングというと、ハードな交渉を毎日のように行っているイメージを持つ方もいらっしゃいますが、全ては上記のような地道な営業からスタートします。
元々金融機関に勤めていた方であれば前職時代の人脈を利用して紹介をもらうなどということもありますが、紹介を待っているだけでは効率的にソーシングをすることはできません。したがって、最初は架電営業やDMなどで直接ソーシングすることが必要です。
逆に考えれば、電話とやる気があれば誰でもできる営業方法で、大きな収益を実現できるともとらえられます。
提案資料の作成
売り手企業をソーシングし、M&A仲介契約を締結したら、買い手企業とのマッチングを行います。しかし、たくさんの買い手候補企業に、決算書や従業員情報等の生データを提出してしまうと、情報漏洩のリスクが高まります。そこで、以下に代表される提案資料を作成し、買い手企業とのマッチングを行います。
ノンネームシート
ノンネームシートとは、メールで買い手候補企業に提案する時や、初めて接触する買い手候補企業にM&Aの提案をする際に用いる資料です。A4ペライチくらいのボリュームで、名前の通りその資料だけではどこの会社か特定できないという特徴があります。売上高であれば1億から5億、利益は5,000万円以下、本社は関東地方のように情報をぼやかして記載します。
企業概要書(インフォメーションメモランダム)
企業概要書は、ノンネームシートベースで関心を持った買い手候補企業に対して、提示する資料です。M&Aコンサルタントが作成する資料の代表的なもので、その会社の具体的な名前や財務情報などの秘密情報を含みます。ノンネームシートは全ての買い手候補企業に提示することが可能ですが、企業概要書は秘密保持契約書を締結した買い手候補企業にしか提示することが可能です。
マッチング
提案の準備を整えたら次はついに買収候補企業へ提案を行います。実際に提案する前には売り手のオーナーに提案の確認(ネームクリアといいます)を行ってから実施します。買収候補企業は、実際に買収することを希望する場合には、買収意向表明書を売り手に提出します。
エグゼキューション
売り手と買い手間で、M&Aの条件がおおむね固まったら、基本合意書という契約書を締結します。その後は、デューディリジェンスと呼ばれる買収監査を行ったり、最終契約書の締結に向けて条件調整を行います。
多くの転職希望者の方が想像する、”かっこいい”仕事に値するのはエグゼキューションの部分であることが多いです。
M&Aコンサルタントに必要な知識とは?
M&Aコンサルタントに必要な以下の知識について解説していきます。ただ、前提として転職前に身につけておく必要はなく、転職後にM&Aの実務、自己研鑽を通じて身につけていく必要がある知識となっています。
- ビジネスに関する知識
- M&Aに関する知識
- 法律に関する知識
- 税金に関する知識
- 財務に関する知識
- 労務に関する知識
- 営業に関する知識
- 交渉に関する知識
それぞれについて、以下から解説していきます。
ビジネスに関する知識
M&Aのコンサルタントをするためには、譲渡企業、譲受企業のビジネスに対する理解が深い必要があります。そもそもコンサルする先の会社が何をやっていて、どのような商流なのか?など全体観が掴めていないというのは論外ですよね。
従って、幅広くビジネスやビジネスモデルについては知っておく必要があり、クライアント事にビジネス内容は異なりますので、都度キャッチアップしていく必要があります。
M&Aに関する知識
M&Aのコンサルタントなので、M&Aの知識は当然必要です。M&Aの知識とは、後述する法律、税金、税務に関する事に加えて、M&Aのスキームなど幅広い知識が必要となります。
法律に関する知識
M&Aは法律が絡む取引になりますので、法律に関する知識は非常に大事です。弁護士レベルに詳しくなる必要はありませんが、M&Aで頻出するような法律の知識は絶対、各種契約書のラリーで顧客、弁護士などの専門家とやり取りできるレベルには必要です。
税金に関する知識
M&Aと税金は絶対に切り離せない関係にあります。譲渡企業はM&Aで会社を売却すると税金が発生しますし、一方で譲受企業はM&Aで会社や事業を取得したときに、損金になるもの(損金算入)と損金にならないもの(損金不算入)があります。
財務に関する知識
会社を見る上で、財務に関する知識は不可欠です。財務諸表といって、会社の売上や資産の額などが記載されている書類があるのですが、その書類を活用しながら会社の状態や業績、課題点などを抽出し、クライアントに対してヒアリングをしていく必要があります。
また、株価(売却価格)等についても、財務諸表を用いながら、摺り合わせをしていくことになりますので、財務の知識は必要です。
労務に関する知識
M&Aでよく論点になるのが、労務の問題です。社会保険の未払いや、未払い残業代、労働基準法違法などがあります。それらの問題が発覚した場合には、金額調整などによって条件を整理していく必要があるのですが、予めそのリスクを認識しておくことで、案件がスムーズに進むことがあります。
従って、M&Aコンサルタントは労務の知識をつけておくべきであり、それがM&Aをスムーズに進めるための一つの要素となります。
営業に関する知識
M&Aコンサルタントの中でも後述しますが、M&A仲介の場合には法人営業の仕事となります。従って、営業に関する知識が必要です。
譲渡を考えているオーナー社長や、企業の買収を考えている譲受企業に対して営業活動を行っていきますので、営業のスキル、コミュニケーション能力は当然必要となります。
交渉に関する知識
M&Aコンサルタントはクライアントに寄り添いながら、時にはクライアントの代理人として交渉の場に立つことがあります。従って、交渉スキルが高いほうがクライアントの利益、M&Aがスムーズに進むことがあります。
M&Aコンサルタントになるには?
M&Aコンサルタントになるためには、M&A仲介会社に入社をするか、もしくはM&Aアドバイザリー会社に入社をするか、どちらかになります。各社の違いなどについて解説していきます。
M&A仲介とアドバイザリーの違いとは
まず第一に、M&A仲介とアドバイザリーの違いは、以下のポイントがあります。
- ポジションの違い
- 案件規模や譲渡背景の違い
- 働き方の違い
それぞれについて解説します。
ポジションの違い
仲介は、買い手と売い手の間にたって、M&Aの成立までをサポートする仕事です。従って、M&A仲介では調整役や両社の落としどころを探るといったような動きが求められます。一方で、アドバイザリーは買い手、もしくは売り手の片方の立場にたって、クライアントの利益を最大化するために動く仕事です。
案件規模や譲渡背景の違い
M&A仲介の場合、譲渡価格で1億円〜50億円がメインのゾーンになります。譲渡背景としては、多くが事業承継の解決というところで、後継者不在の中堅中小企業のM&Aを扱うことになります。
アドバイザリーの場合、譲渡価格で50億円以上の案件がメインゾーンとなります。譲渡背景としては、選択と集中、事業の拡大などがあり、上場会社の案件なども扱っています。
働き方の違い
M&A仲介の場合、若手の年次からフロントにたって、クライアントとの商談や折衝、交渉を行っていくことなります。一方で、アドバイザリーの場合には、若手のうちや資料作成やバリュエーション業務など、デスクワークが中心となります。年次が上がっていくにつれて、徐々にフロントに立てるようになり、最終的にはクライアントとのリレーション、営業活動のようなことをしていくようになります。
M&A仲介会社に入社する
営業に自信がある方や、事業承継問題に関心のある方、青天井のインセンティブで稼ぎたいという方は、M&A仲介会社に入社する傾向にあります。
M&Aアドバイザリー会社に入社する
戦略コンサルなどコンサルティング経験、大手事業会社での経営企画経験などのある方が、アドバイザリー会社に入社する傾向にあります。
M&Aコンサルタントのやりがい
M&Aコンサルタントのやりがいは、以下のようなことがあります。
- ダイナミックな仕事を少数でできる
- 経営者の重要な決断のそばで仕事をすることができる
- 自由な働き方と完全実力主義からくる納得感
ダイナミックな仕事を少数でできる
ダイナミックさをどの程度感じることができるかは、個人の感覚に依存しますが、筆者は以下の通りと考えています。
- 人の人生に直接的なインパクトを与える仕事
- 扱う金額億単位であること
M&A業界の仕事の条件に当てはまりますね。筆者としては、人の人生に直接的なインパクトを与える仕事に携われる人は、M&Aの他は医者や弁護士くらいではないかと考えており、大変な仕事ではありますが、それだけ成約したときの喜びはひとしおです。
M&A業界の中で最もダイナミックな仕事をしているといえば、大手証券会社や外資系投資銀行がありますが、彼らは10人ほどのチームで行うため、M&A仲介会社の方が少数であるといえるでしょう。
経営者の重要な決断のそばで仕事をすることができる
経営者の重要な決断をサポートできる仕事はそう多くはありません。ぱっと思い浮かぶのは、金融機関や税理士等の士業の仕事ですね。M&A業界の仕事は企業の買収・売却という一生に一度あるかないかという重要な意思決定のそばで仕事ができます。
短期間に密度の濃い時間を過ごすため、私自身もM&Aが終わってからも個人的にお付き合いをいただいている方も多いです。
自由な働き方と完全実力主義からくる納得感
M&A業界の働き方は自由度が高いといえます。完全テレワークである会社は少ないですが、成果が上がっていれば休みも取りやすい環境です。また、給与についてもインセンティブの割合が大きいため、自分の成果が直接的に給与に跳ね返る仕組みが整っています。
今働いている会社で納得感が無いと感じている方は転職を検討してみてもいいかもしれません。
M&A仲介会社への転職を成功させるための方法
M&A仲介会社への転職を成功させるためには、M&A業界に特化をしている転職エージェントを活用しましょう。
M&A業界特化型エージェントの場合には、M&Aの仕事についても正確に理解することができますし、会社ごとの特徴についても丁寧に教えてもらうことができるでしょう。また、面接情報においても、業界に特化しているため情報の質が高く、業界特化型エージェントを活用しない理由はありません。
その中でも、弊社ユニークボックスは、キャリアアドバイザーが全員M&A業界経験者という事から、どのアドバイザーであっても正確に仕事内容をお伝えすることができるので、おすすめです。また、面接情報についても長年培ってきたデータが膨大にありますので、その情報を基に面接対策ができるのでおすすめです。
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