
ユニークボックス CMO
大冨 翔太郎(おおとみ しょうたろう)
新卒で大手M&A仲介会社である株式会社ストライクに入社。入社後は30件以上のM&A案件を手掛け、同社において成績上位者として表彰を受けるとともに、最年少での昇進を果たすなど数々の実績を残す。2023年5月に独立し、代表である梶川とともに合同会社ユニークボックスを設立。若手の未経験者から経営層に至るまで、多様な層の転職支援を手掛け、豊富な実績を築いている。
M&A仲介会社に転職を希望される方の中には、仕事のイメージを持ちたくても、ぼんやりとしてしまっている方も多いのではないでしょうか。
今回は、M&Aの実務に置いて一つの区切りとなる、基本合意について解説します。
基本合意とは
基本合意とは、M&A仲介会社がM&Aを進める中で締結する基本合意書を締結することを示します。今回の記事では、以下のことを解説していきます。
- 基本合意書を利用するタイミング
- 基本合意書を締結する意義
- 基本合意書に記載する内容
基本合意書を利用するタイミング
基本合意書を締結するのは、意向表明書による初期的な条件提示やトップ面談を済ませた後です。そして、デューディリジェンスに入る前に、それまでの交渉内容や初期的な交渉内容を基本合意書に落とし込み、契約を締結します。
>>【経験者の解説】M&Aの流れと各フェーズのポイントについて!
基本合意書を締結する意義
基本合意書は、売主買主双方にとって、M&Aの相手方や条件面が初期的に合意できた証拠となる契約書です。基本合意書を締結することで、長いM&Aの一連のプロセスに一つの区切りを持たせることができます。
売主は、基本合意書を締結した後は他の候補先と交渉をすることができない決まりとなっています。

M&Aのプロセスの中で一つのゴールといえるのが、基本合意です
基本合意書に記載する内容
基本合意書に記載する内容は以下のようなものがあげられます。(株式譲渡を前提とした場合)
- 契約の目的
- 株式譲渡の定義
- 株価
- スケジュール
- 買収監査の実施の同意
- 善管注意義務への合意
- 契約解除への合意
- 独占交渉権の付与
- 秘密保持
- 費用負担条項
※上記はあくまで一例です。案件により変化します。
上記のうち、重要性の高い、「株価」「スケジュール」「買収監査の実施の同意」「独占交渉権の付与」についてより細かく解説していきます。

M&A仲介会社では、未経験の方でも基本合意が締結できるように、基本合意書のひな形が創られていることが大半です
株価
基本合意書の締結までにM&Aコンサルタントを通じて売主と買主間で交渉し合意した株価を基本合意書に記載します。基本合意書に記載した金額で最終契約書の締結まで至る場合もありますが、多くの場合買収監査(通用、デューディリジェンスと呼ばれる)を経て会社に潜む潜在的なリスクが判明されるため、最終契約書を締結する前には株価の交渉が入るケースがほとんどです。
スケジュール
買収監査の実施スケジュール、クロージングの予定日など、売主買主双方にとって冗長にM&Aが長引かないようにするために基本合意書にもスケジュールを記載しておくことが多いです。
M&Aコンサルタントとしては、なるべく早くM&Aを成約させたいと考えてしまうため、必要以上に短くタイトに設定してしまう傾向にありますが、当事者の意向にも配慮した設定とすることが重要です。
買収監査の実施の同意
買収監査は、M&Aにおいて必須のプロセスです。しかし、売主は会社に関するたくさんの資料を提出しないといけないため、かなり負担がかかります。そのため、買収監査を実施することをあらかじめ契約書で合意していただきます。
独占交渉権の付与
独占交渉権とは、基本合意書を締結以降は、あなたとしかM&Aの交渉をしませんという、売主が買主に付与する権限のことです。この権限を付与することで、買主は買収監査等に費用を掛けて時間をかけたM&Aの交渉が可能です。

基本合意書の内容は、独占交渉権の付与です!
まとめ
今回は、基本合意書の内容について解説を行いました。業界で実際に働いたことのない方には全くなじみがない書類だと思われるため、今回の記事ですこしでもM&Aの実務について働くイメージを持っていただけると幸いです。
M&A仲介会社への転職ならユニークボックス

下記の強みが、あなたの転職を成功に導きます!
- M&A業界特化型転職エージェント
- 大手M&A仲介会社出身のキャリアアドバイザーが多数在籍
- 実際に働いていたからできる綿密な面接対策で、高い内定率を実現
- 弊社独自の特別選考ルートを多数確保
\秘密保持の観点から記事には書けない転職情報も多数保有/
無料で転職相談する
コメント