ユニークボックス CMO
大冨 翔太郎(おおとみ しょうたろう)
新卒で大手M&A仲介会社である株式会社ストライクに入社。同社において成績上位者として表彰を受けるとともに、最年少での昇進を果たすなど数々の実績を残す。2023年5月に独立し、代表である梶川とともに合同会社ユニークボックスを設立。ITコンサルティング業界の転職エージェントとして月間20名以上の方の転職相談を受ける。
ITコンサルタントは他職種と比べて年収水準が高いといわれています。
しかし「年収が高い」という評判だけを鵜呑みにしてしまうと、実際に転職してから理想と現実のギャップに悩むケースも少なくありません。
本記事では、公的データや求人情報をもとにITコンサルタントのリアルな年収を明らかにしたうえで、なぜ高年収が実現しているのかという構造的な理由、そしてその裏で「やめとけ」といわれてしまう背景まで、多角的に解説します。未経験からITコンサルタントを目指す際のポイントもあわせて紹介しますので、転職を検討している方はぜひ参考にしてください。
目次
ITコンサルの年収はいくら?公的データ・求人から見る実態
ITコンサルタントの年収を語るうえでは、ひとつの情報源だけに頼らず、公的統計・求人情報・社員クチコミという複数の視点から実態をとらえることが重要です。以下では、それぞれの角度から見えてくる年収の目安を順番に紹介します。
公的機関の調査(賃金構造基本統計調査など)に基づく平均年収
公的データから見るITコンサルタントの平均年収は889万円です。出典:厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」(令和7年賃金構造基本統計調査)公的データという客観的な指標で見ても、ITコンサルタントは高年収の職種に位置づけられていることがわかります。
ただ未経験入社の場合、最初から高年収が約束されるわけではなく、経験を積む期間があると捉えておくのが現実的です。ただし、実力主義の色が強い業界であるため、実力次第で年収を早いペースで伸ばせる可能性があります。
大手ITコンサル企業の求人票に見る年収レンジ
結論として、大手ITコンサルティングファームの求人票を見ると、未経験と経験者とで提示される年収レンジに大きな差があります。
理由は、求人票に記載される年収が入社時点のスキルレベルや役職に応じて細かく設計されており、どの等級で採用されるかによって初年度の年収が大きく変わる仕組みになっているためです。実際の求人情報を整理すると、次のような傾向が見られます。
- 未経験入社の場合は、500万円前後からのスタートが多い
- 経験者採用では、800万円〜1,200万円のレンジが提示されるケースがザラにある
- 会社によっては、未経験であっても800万円近くからスタートする場合もある
- ITコンサルタントはスキルレベルに応じて役職が定義されており、その役職ごとに給与テーブルが細かく設定されている
- 一口に「未経験」「経験者」といっても、実際にどの役職・給与テーブルに割り振られるかは本人のスキルや経験内容次第で変わる
このように、求人票の情報からも、経験や役職が上がるほど年収が段階的に上昇していく仕組みがうかがえます。
年代別(20代・30代・40代)の年収推移
ITコンサルタントの年収は年代が上がるごとに大きく伸びていく傾向にあります。
理由は、ITコンサルタントの評価制度が年功序列ではなく成果主義を採用している企業が多く、経験を積んでプロジェクトの単価が高い上流工程を任されるようになるほど、年収に反映されやすい仕組みになっているためです。job tagのデータをもとに年齢層別の平均年収を整理すると、次のようになります。
| 年齢層 | ITコンサルタント平均年収 |
| 25〜29歳 | 642万円 |
| 30〜34歳 | 886万円 |
| 35〜39歳 | 968万円 |
| 40〜44歳 | 1,189万円 |
| 45〜49歳 | 1,216万円 |
出典:job tag(※小数点第一位を四捨五入して切り上げ)
このように、25〜29歳から30〜34歳にかけて年収が200万円以上アップしており、ITコンサルタントは早い段階から実力に応じて年収が伸びていく職種だといえます。
役職別の年収レンジ

ITコンサルタントの年収は役職ごとに明確な階段が用意されており、アナリストからコンサルタント、シニアコンサルタント、マネージャー、シニアマネージャー、パートナーへと昇格するにつれて段階的に上昇していきます。
理由は、役職が上がるにつれてプロジェクトの責任範囲が個人のタスク遂行からチームマネジメント、さらにはクライアントとの契約交渉まで広がり、企業側もその責任に見合った報酬を設定しているためです。役職の階層をピラミッドで整理すると、次のようになります。
たとえばパートナーやシニアマネージャー以上になると、複数プロジェクトを統括する立場となり、成果に応じたインセンティブが年収に大きく上乗せされる企業も存在します。このように、役職ごとの階層を把握しておくことで、自分がどのキャリアステップでどの程度の年収を目指せるのか具体的にイメージしやすくなります。
なぜITコンサルの平均年収は高いのか?構造的な理由について
ITコンサルタントの年収が高い背景には、単なる「専門職だから」という理由だけでなく、ビジネスモデルや評価制度、業界構造に根ざした複数の要因が重なっています。ここでは、その構造的な理由を4つの視点から解説します。
高単価案件を扱うビジネスモデル
ITコンサルティング業界は1人あたりの月間単価が非常に高いビジネスモデルを採用しているため、社員に還元できる原資も豊富にあります。
理由は、コンサルティングファームが準委任契約・請負契約のもとでクライアント企業から受け取るコンサルタント1人あたりの月額単価が100万円から300万円以上に設定されることも多く、この高単価がそのまま社員の給与原資につながっているためです。このように、高単価案件を積み重ねられるビジネスモデルこそが、ITコンサルタントの高年収を支える土台になっています。
実力主義の評価制度と昇給スピードの速さ
ITコンサル業界は年功序列ではなく実力主義の評価制度を採用している企業が多く、成果を出せば入社年次に関係なく短期間で昇給できる仕組みになっています。
理由は、コンサルティングファームでは半年から1年単位でパフォーマンス評価が行われ、評価結果が昇進・昇給に直結する仕組みが一般化しているためです。たとえば入社数年目でも高い評価を得ればマネージャー候補として抜擢され、年収が一気に数百万円以上アップするケースも見られます。このように、年齢や勤続年数にとらわれない実力主義の評価制度が、他業界と比べて速いスピードでの昇給を可能にしています。
上流工程・専門性の高さが単価に直結する構造
ITコンサルタントが担う業務は要件定義や戦略立案といった上流工程が中心であり、専門性の高さがそのまま単価に反映されやすい構造になっています。
理由は、経営課題を整理してIT戦略に落とし込む上流工程を行える人材は需要が高く、単価を押し上げているためです。たとえば同じプロジェクトでも、実装を担当するエンジニアの月額単価が60万円程度であるのに対し、要件定義を担当するコンサルタントの月額単価は150万円を超えることも珍しくありません。このように、上流工程を担う専門性の高さが、ITコンサルタントの年収を底上げする大きな要因になっています。
DX推進によるIT人材需要の高まり
企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進が加速している現在、ITコンサルタントへの需要は年々高まっており、この需給バランスの逼迫が年収の高さを後押ししています。
理由は、多くの日本企業が既存システムの刷新やデータ活用による業務効率化を急いでいる一方で、それを推進できる専門人材が慢性的に不足しているためです。たとえば経済産業省が指摘する「2025年の崖」問題以降、レガシーシステムの刷新を担える人材の獲得競争が業界全体で激しくなり、優秀なコンサルタントを確保するために各社が年収水準を引き上げる動きも見られます。
さらに、生成AIが本格的に普及した現在も、この需要が消えることはありません。AIを業務プロセスに組み込むための導入支援プロジェクトが数多く発生しており、AI活用を前提とした新たなコンサルティング需要が生まれ続けているためです。このように、DX推進からAI活用支援へと形を変えながらも、ITコンサルタントへの需要は依然として高い水準を保っています。
無料で転職相談してみるITコンサルは年収高いのにやめとけと言われる理由
ここまで見てきたように、ITコンサルタントは公的データからも構造的な理由からも高年収であることが裏付けられます。
しかし一方で、「ITコンサル やめとけ」と検索する人が多いのも事実です。これは、高年収の裏側に見過ごせない負担が存在することを意味しています。ITコンサルタントが「やめとけ」といわれる理由は、激務による長時間労働、実力主義ゆえのプレッシャー、そして将来性への不安という3つの要素に集約されます。
理由①
激務・長時間労働の実態です。プロジェクトの納期直前や大規模な要件定義フェーズでは、残業が続くことも事実としてあります。ただ、企業やどのようなプロジェクトに参画するかによってもことなりますので、必ずしも常態的な長時間労働となる訳ではありません。
理由②
実力主義のプレッシャーと離職率の高さです。半年から1年ごとの評価で成果を出し続けなければならないプレッシャーは大きく、評価が伸び悩んだ社員が短期間で転職・退職を選ぶケースも少なくありません。ただ、未経験者、また伸び悩んでいる社員へのフォロー体制を強化し、高稼働率を維持している企業も見受けられます。会社選びによって一定リスクを回避することが可能だと考えられます。
理由③
高年収が将来にわたって続くとは限らないという不安です。生成AIの進化によって、これまで人が時間をかけていた要件整理やドキュメント作成の一部が自動化されつつあり、将来的に職を失うのではと心配している声も見られます。ただ、新しいテクノロジーに対して新たな需要が発生しており、需要が完全に消滅するということは考えにくいと思われます。
いずれの理由についても、事前の準備と対策によって回避することが十分可能となっております。もし転職を検討する中で不安な点があれば、ぜひ我々へご相談ください。
無料で転職相談してみるITコンサルの中で平均年収が高い企業はどこ?
年収の全体像や構造的な理由を理解したら、次に気になるのは「具体的にどの企業を目指せば高年収を実現できるのか」という点です。ここでは、外資系大手と国内系ファームという2つの区分に分けて、代表的な企業の年収傾向を紹介します。
外資系大手(アクセンチュア/PwC/デロイト/EY/KPMGなど)
①アクセンチュア
②PwCコンサルティング
③デロイト トーマツ コンサルティング
④EY
⑤KPMG
外資系・Big4系のコンサルティングファームは、業界内でも高い年収水準を提示している企業群です。
これらのファームはグローバルなブランド力と高単価案件を武器に大規模プロジェクトを多数受注しており、実力主義の評価制度によって若手のうちから高い年収を実現できる土壌が整っているためです。たとえば新卒・第二新卒でも年収500万円前後からスタートし、マネージャークラスに昇進すれば年収1,000万円を超えることが一般的な目安とされています。
このように、外資系・Big4系は年収水準の高さとともに、実力次第で早期に高年収を実現できるチャンスが多い環境だといえます。
国内系ファーム(野村総合研究所/ベイカレント/フューチャーなど)
①野村総合研究所(NRI)
②ベイカレント・コンサルティング
③フューチャーアーキテクト
国内系のコンサルティングファームも、外資系に匹敵する高年収を実現している企業として知られています。
たとえばベイカレント・コンサルティングは実力主義の評価制度を強く打ち出しており、20代のうちから年収1,000万円に到達する社員がいることでも知られています。このように、国内系ファームは日系企業らしい安定感と、外資系に劣らない高年収の両方を両立させている点が特徴です。
企業別の年収レンジ比較表
以下は、代表的なITコンサルティングファームの年収レンジをまとめた比較表です。あくまで求人情報やクチコミサイトをもとにした目安であり、実際の年収は個人の経験・スキル・評価によって変動する点にご注意ください。
| 企業カテゴリ | 代表的な企業 | 若手(20代)の年収目安 | マネージャー以上の年収目安 |
| 外資系・Big4系 | アクセンチュア、PwC、デロイト トーマツ、EY、KPMG | 500万〜700万円 | 1,000万〜1,800万円 |
| 国内系ファーム | 野村総合研究所、ベイカレント・コンサルティング、フューチャー | 450万〜700万円 | 900万〜1,500万円 |
| 日系SIer系コンサル部門 | 富士通、大和総研などのコンサル部門 | 400万〜550万円 | 800万〜1,100万円 |
このように、企業カテゴリによって若手のうちから狙える年収水準や、マネージャー以上に昇進した際の伸びしろに違いがあります。転職先を検討する際は、年収レンジだけでなく、自分がどのような評価制度・働き方の企業に合っているかもあわせて確認することをおすすめします。
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無料で転職相談してみる未経験からITコンサルを目指せるのか?年収を上げるキャリア戦略
ここまで紹介してきた高年収は魅力的である一方、「コンサル未経験でも挑戦できるのか」という疑問を持つ方も多いはずです。結論からいうと、コンサルティング経験がなくても、IT関連の経験を持つ人材はITコンサルタントとして十分に狙える立場にあります。
コンサル未経験でもIT経験者は特に狙える
IT業界での実務経験を積んできた人材は、コンサルティング未経験であってもITコンサルタントへの転職を十分に狙うことができます。
IT経験者が有利な点として、ITの知見を活用してクライアント企業の経営課題を解決に導く力であり、プロジェクトマネージャーやSEとして培ってきたシステムの知識やプロジェクト推進の経験がその土台として高く評価されるためです。
特に社内SEは、社内の事業部門と情報システム部門の間に立って要件をすり合わせてきた経験を持っているため、コンサルタントに求められる利害調整力と親和性が高いといえます。たとえば要件定義やベンダーとの調整業務に携わった経験があれば、それはそのままITコンサルタントの業務に直結するスキルとして採用担当者に伝わります。
このように、IT業界での実務経験を持つ人材にとって、ITコンサルタントは決して遠い存在ではないキャリアだといえます。
営業出身者の内定事例もあり
IT業界の経験がない営業出身者であっても、顧客折衝力やプロジェクト推進力を評価されてITコンサルタントへの転職に成功している事例があります。
理由は、ITコンサルタントの仕事は技術力だけでなく、クライアントの本質的な課題をヒアリングして整理し、社内外の関係者を巻き込みながらプロジェクトを前に進めていく力が重視されるためです。
たとえば法人営業として大口クライアントとの折衝を担ってきた人材が、その顧客対応力とチームをまとめる経験を武器に、未経験からITコンサルタントとして内定を獲得したケースも報告されています。このように、プログラミングの有無にかかわらず、顧客折衝経験やチームでプロジェクトを進めた経験を持つ人材は、ITコンサルタントとして年収アップを実現できる可能性を十分に持っています。
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ITコンサルの平均年収は?
job tag(令和7年賃金構造基本統計調査)によると、ITコンサルタントの平均年収は889万円です。年代別に見ると25〜29歳で642万円、30〜34歳で886万円、35〜39歳で968万円、40代以降は1,100万円を超える水準まで伸びる傾向にあります。
ITコンサルはきついですか?
ITコンサルタントは、プロジェクトの納期前や要件定義フェーズを中心に長時間労働が発生しやすく、成果主義による評価プレッシャーも大きいため、きついと感じる人が一定数いるのは事実です。ただし、企業やプロジェクトによって働き方には差があり、ワークライフバランスを重視した働き方が可能な企業も存在します。
まとめ
本記事では、ITコンサルタントの年収について、公的データ・求人情報・社員クチコミという複数の角度から実態を紹介したうえで、高年収を支える構造的な理由、そしてその裏で「やめとけ」といわれてしまう背景まで解説しました。
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